剱岳


やっと見られました「剱岳」
ここらでは早い時間帯でしか上映されなかったので、なかなか行く機会がなかったんですが、もう一日一度になってしまい焦ってました。見られてよかったです。
あまり前評判とか見ないで行ったんですが、思ってたような感動巨編ではなかったですね。「八甲田山」のような作品かと思ってましたがそうじゃありませんでした。過剰な演出もありきたりなエピソードもなく、ただ淡々と山に登り仕事をこなす男の物語。
延々と続く山登り。降りては登り、降りては登り、時には落ちてはまた登る。雨に濡れ、雪に凍え、雪崩に押しつぶされ、吹雪に翻弄され、それでもまた登る。


なぜ?だって仕事だもん


いいなぁ〜、この淡々とした感じ。主演の浅野忠信が実によかったです、この自己主張のなさはなに?ってくらい感情の起伏がない。そこが凄くよかった。隣の地元のガイドさんが濃い分、画的にもバランスがとてもいい。いや、それは香川君なんだけども、もうまるっきり村人でビックリです。そういう人だって解っていても、このなりきり度は半端ない。あんなカッコがこんな似合うってどうゆこと?ってくらい嵌ってて、またそれが最高に素敵でした。
とにかく雪山を登るだけの映画と言っても過言ではない作品なので、なにが面白いかと言われたら面白くないのです。こういう映画にありがちのお約束な感動的ラストシーンすらない。むしろガッカリさせやがるんだ、なんだよチクショー(泣)なんです。でもそこがいい。だから最後の手旗信号もいらなかった気がします。白々しいんだもん、中村トオル。めっちゃ浮いてるんだもん、中村トオル。雪山でコートはないだろ、中村トオル
そして誰も彼もが不死身なのもどうかと思いましたね。滑落してもちょっと怪我しただけ。100メートルは滑り落ちたであろうのに無傷。雪崩に巻き込まれても全員無事。機材も無事。中村トオルはロングコート(しかも前は留めない)
そして誰も彼もが全然威厳がない陸軍の皆様。笹野高史が香川君と一緒に出てると下着会社の部長思い出してしまうし、田中要次が将校はないよね。


確かに面白い映画ではないし、ヒットするような映画でもないけど、こういう作品が撮られてることは本当に凄いと思うしもっとやって欲しいとは思いました。「なんでこんな映画撮ってるんだろう」と笑える程撮影が過酷であっただろうことをひしひし感じる画に、俳優さんはもとより関わったスタッフ全員に心の中で拍手をしてしまいました。
CGでなんでも出来る時代だけど、やっぱりこれだよね、な映画です。



話は変わりますが、イマこれに嵌ってます。

物凄く美味しい♪マンゴーなんかアレルギー出ちゃった(つまり果物がそのまま入ってるってことです)